シモン『クローバーの花言葉って、知ってる?』
誕生日当日、僕らは緑地公園に居た。
自然と触れ合う彼女の姿が見たいがために、僕が彼女に公園で過ごしたいと頼んだからだ。
自然の中にいる彼女は、幼い頃からとても美しい…
彼女は公園に到着するやいなや、何かを探しているような仕草をして辺りを見渡していた。
何を探しているのだろう、と思い彼女に問いかけようとすると、
「あーー!!」
彼女は急に大きく弾んだ声を出して、その場にしゃがみこんだ。
突然のことで、僕は固まってしまった。
「みて!シモン、四つ葉のクローバーだよ!」
彼女は心から嬉しそうに僕にそういうと、眩しい笑顔をこちらに向けた。
「流石に千切っちゃうと可哀想だから、写真を撮ってシモンに送るね!」
彼女は携帯を手に取るとカシャリ、と音を立てて四つ葉のクローバーを写真に収める。
昔から植物にも優しい彼女。そういうところにもきっと…惹かれたのだろう。
『…クローバーの花言葉って、知ってる?』
僕は思わず、その言葉を口走った。
「えっ、うーんと…幸運とか…かな。」
彼女は考えるポーズをとりながら、そう答えた。
『確かに四つ葉はそうだね。クローバーは葉の枚数によって花言葉が異なってくるんだけど…』
先程から僕の言葉にひたすら頷く彼女が、小動物のようで可愛い。
『クローバーの全体的な花言葉は…think of me。『私を思って』という意味があるんだよ。』
「えっ…!知らなかった…」
僕がそう告げると、彼女の顔は林檎のようにみるみると赤くなっていく。
彼女の言動が一々愛らしく、
つい彼女試したくみたくなってしまう。
『僕は、クローバー全体の意味で捉えたいんだけど…どうかな?』
少し意地の悪そうに聞いてみると、
彼女顔を赤くしたまま、潤んだ目で僕を見上げ、口を開いた。
「…いいよ。」
『えっ…』
照れ屋の彼女はきっと慌てて否定するだろうと予測していたため、とても驚いた。
「そのまま捉えて、いいよ。シモン。」
彼女は立ち上がると、ゆっくりと僕の方に近づきクローバーの写真を携えながら
穏やかな顔で言葉を紡いだ。
「シモン、誕生日おめでとう。…大好き。」
『…君って子は。本当に…』
僕の心を、強くそして優しく捕まえる。
僕も大好きだよ、と告げると
僕は堪らず彼女を抱き締めた。
溢れんばかりの愛情が彼女に伝わるよう、心から願った。
その日は、人生で最高の誕生日だった。
ーー精一杯のお祝い、ありがとう。